ドモヴィナ

ウジツァ地方のソルブ人の連盟

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歴史

ドモヴィナは19121013日、ザクセン州の町ホイヤースヴェルダ/ウォイェレツィ(Hoyerswerda/Wojerecy)で、ソルブ人の諸団体や協会の連合組織として結成されました。その目的は、ソルブ人の民主的権利や民族的利益を擁護し、ソルブの文化とことばを発展させることでした。1933年以降、組織改革によって個人でも加入ができるようになりました。

 1930年代、ドモヴィナは政治的弾圧の対象となりました。1937年には、ソルブ人の完全な同化をめざすナチスの政策によってドモヴィナは禁止され、その財産は接収されます。

ソルブ人は公式には「ヴェンド語を話すドイツ人」 (「ヴェンド」はソルブ人を指すドイツ語の呼称) とされ、民族的アイデンティティを保持する活動は非合法とされました。しかし、ヨーロッパにおいて第2次世界大戦が終わる直前、ドモヴィナは活動を再開にたどりつきます。19455 10日、ザクセン州カメンツ/カミェンツ(Kamenz/Kamjenc)市近郊の村クロストヴィッツ/クルシツィツィ(Crostwitz/Chrsicy) で正式に再建されました。

戦争が終わってまもない頃から、ドモヴィナはソルブ人の間で幅広い支持を集めるようになり、多くの人々がソルブの文化と民族意識の刷新をめざして積極的かつ献身的に参加しました。

続くドイツ民主共和国時代の40年間、ドモヴィナは他の組織や政党と同様、政治的な統制のもとに置かれました。その公的な位置づけは「社会主義的民族組織」でした。1980年代になって、多くのドモヴィナ会員が、ソルブ語やソルブの文化・芸術などの分野に、さらに積極的に取り組むことを要求しました。そして、彼らの提案は執行部に受け入れられるようになります。 1989年秋の東ドイツの社会主義統一党政権の崩壊は、現在まで続く新しい時代の幕開けとなりました。そしてよりリベラルな風潮のなかで、ドモヴィナはその目的や政策を見直すことになります。1990 318日、臨時大会で新規約が採択され、ドモヴィナはふたたび特定党派に偏らない、独立した民族組織であると宣言しました。1991 112日の第1回総会において規約の微修正がなされ、第2回総会(1991 615) において公式行動計画が承認されます。こうしてドモヴィナはソルブ人の政治的に独立した連盟として再出発し、現在の正式名称「ウジツァ地方のソルブ人の連盟」を名乗るようになりました。第3回総会 (1993 6 5) で公式行動計画が改正され、新しい議長と3人の役員が選出されました。

規約に基づくドモヴィナの活動内容は以下のとおりです。

-ソルブ人の言語、文化、伝統および民族意識、共同体意識、地域アイデンティティを維持、発展、促進、拡大すること。

-ソルブ人のために活動する諸組織の一体化を促進し、また活動を支援すること。

-公の場、ブランデンブルク州およびザクセン州議会、また地域や連邦の各機関に対するソルブの利益を代表すること。

-ドイツにおける民族的少数者の保護・促進に関する法規の整備および国内、また国際的な法規や協定の実行をすすめること。

-ソルブ人とドイツ人の相互の尊重及び機会の均等を促進すること。

-他のスラヴ諸民族や民族的少数者との友好関係を築き、民族的少数者の国際的な組織とともに共通の利益の保護のために相互支援をすすめること。

ドモヴィナに加盟しているのは以下の団体です

-ドモヴィナ各支部:バウツェン、カメンツ、ホイヤースヴェルダ、ヴァイスヴァッサー/ニースキー、ニーダー・ラウジッツ

-()ソルブ学校協会

-ソルブ学生連盟

-()ソルブ・ソコウ(スポーツ連盟)

-ソルブ文化観光連盟

-()マチツァ・セルプスカ(学術振興協会)

-ソルブ合唱団連盟

-()ソルブ芸術家協会

-()キリル・メトディウス協会

-()ソルブ青年協会パウク

協賛会員となっているのは以下の組織です。

-ウジツァ協会(ウジツァ外のソルブ人およびソルブ人の友の会)

-ベルリン・ソルブ文化振興協会(SKI)

-ソルブ友好協会、プラハ

-チェコ・ソルブ青年協会、プラハ

-ポーランド・ソルブ協会、ワルシャワ、ヴロツワフ、ポズナニ

-オーストラリア・ヴェンド遺産協会、メルボルン

ドモヴィナは以下の団体に加盟しています。

-ヨーロッパ民族的少数者団体連合(FUEV)、フレンスブルク

-ヨーロッパ少数言語委員会、ダブリン/ブリュッセル

-危機にある民族のための協会、ゲッティンゲン

加盟資格

個人、法人、ソルブ人の各種団体はドモヴィナの会員になることができます。ウジツァ外のソルブ人の団体やソルブ人との友好団体は賛助会員になることができます。

 ソルブ民族の支援に功労のあった者のためには、民族的背景にかかわらず名誉会員の資格が用意されています。

執行機関

ドモヴィナの活動は以下の機関によって行われます。

-総会

-役員会議

-各種専門委員会

文化政策、組織、広報関連

        教育(青年、言語使用の促進)関連

        ドイツ及びヨーロッパの少数民族に関する法的、政治的な措置関連

-顧問会議

-会計監査委員会

- ドモヴィナ事務局

- 執行委員会(ドイツ民法26条に基づいてドモヴィナを法的に代表する権限を持つ。 
   議長、副議長、事務局長、副事務局長からなる)

(以上、ドモヴィナの紹介パンフレットより)

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